フラビオ・ブリアトーレが明かすアルピーヌ復活の全貌 「勝つためだ、世界を観光するためにいるんじゃない」
F1界随一の異端児が、ついにその口を開いた。アルピーヌのエグゼクティブアドバイザー、フラビオ・ブリアトーレ。事実上のチーム代表として君臨する男が、『The Race Business』のインタビューで、チーム復活の舞台裏を赤裸々に語った。
驚くべき数字が飛び出した。あの「チーム・エンストン」の評価額は、なんと8000万ドルから35億ドルへと跳ね上がったという。ブリアトーレはピエール・ガスリーを高く評価しつつも、チームにはまだミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソ級のドライバーがいないことを認めた。さらに、スプリントレースを24戦に増やすべきとの持論も展開。そして何より衝撃的だったのは、かつて「非常に悪いアイデア」とされた案件を、1億5000万ドルのタイトルスポンサー契約へと変えた手腕だ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon インタビュアーを務めたのは、『The Race』の共同創設者ダレン・コックス。かつてルノーに在籍した経験を持つコックスは、エンストンの長年勤めるレセプショニストとの偶然の出会いから、この男の本質を見抜いたという。「フラビオがいることで、ここが再びレーシングチームになったと感じる」と、そのレセプショニストは語った。
1000人もの従業員を抱え、無機質な企業や投資ファンドに所有される現代のF1チーム。工場のスタッフが「自分たちはレースチームの一員だ」と実感できるかどうかは、しばしば曖昧だ。コックスは言う。「ルノー時代のフランス人上層部は、決して『レーサー』とは見なされなかった」。しかしブリアトーレは違う。レセプショニストも、機械工も、管理職も、風洞技術者も、人事部でさえも(いや、人事は除くかもしれないが)、自分たちが本物のレースチームに属していると感じれば、ビジネスに計り知れない付加価値をもたらす。
ブリアトーレ本人の言葉は容赦ない。「結果は常に“勝つこと”だ。世界中を観光しに行くわけじゃない」。彼は思考の明晰さも併せ持つ。あなたがその考えを好もうと好むまいと、彼は気にしない。そして、それらについて明確で自信に満ちている。
コックスが約1時間に及ぶ対談で最も衝撃を受けたのは、まさにその点だった。事前には「30分も持たないだろう」と言われていたインタビューは、大幅に時間を超過。コックスは振り返る。「歳を重ねるごとに、私自身の思考の明晰さと確信は薄れてきた。知識が増え、処理すべき情報が増え、自身の悪い決断の代償を痛感しているからだ。若い頃の無意識のキャリア向こう見ずは失われた」。しかし、24歳年上で、かつてのような身体的な機動性は失ったブリアトーレには、自信の欠片も、意見の混乱もない。アルピーヌをどこへ導くべきか、明確な指針がそこにはあった。
「ベネトン時代のようなイノベーターとしての日々は終わった」と思われるかもしれない。だが、コックスは断言する。「真実からはほど遠い」。F1界に旋風を巻き起こしたグッチとのパートナーシップ契約は、まさに彼の発案だった。ベネトンとグッチの類似点は明白であり、インタビューでもそのテーマは深掘りされた。ブリアトーレ自身もその類似性を認めつつ、ただ一つだけ異なる点を挙げた。「現時点では、チームにシューマッハやアロンソのようなドライバーはいない」と。
コックスは語る。「ブリアトーレはグッチと共にベネトンのマーケティングマジックを再現するだろう。しかし、あのレセプショニストが感じた『エンストンは再びレーシングチームになった』という感覚が、来年実際にトラック上で実現するかどうかは、まだわからない」。いずれにせよ、この男がこの壮大な物語の両輪をどう操るのか、これからも目が離せない。
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