バニャイア、ドゥカティ危機の真相。英国GPでまさかの大苦戦
MotoGP2度のチャンピオン、ペッコ・バニャイアが2026年シーズン、波乱の連続を強いられている。特に先日のイギリスGP(シルバーストン)は、彼のドゥカティ時代の悪夢を再び呼び起こす結果となった。かつてこの地で勝利を挙げた男が、今やランキング8位に沈む。その背景には、テクニカル面の不運だけでなく、来季からの移籍先であるアプリリアの急成長も影を落とす。
しかし何より痛いのは、バニャイア自身のパフォーマンスが精彩を欠いている点だ。今季の「The Race」による週末評価では、フルタイムライダー中13位。真価を発揮したのはブルノ戦ただ一度で、シルバーストンは「悪い意味」で目立った週末となった。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 数字が物語る衝撃のギャップ。予選ではトップのドゥカティから1.476秒遅れ、スプリントは17位、決勝は7周目に転倒リタイア。転倒時にはリーディングドゥカティから10秒差がついていた。バニャイアは「自分のパフォーマンスレベルを考えれば、17位以上は想像できなかった」と悔しさをにじませ、「受け入れがたいクラッシュ」と肩を落とした。
問題の根幹は、マシン特性の変化にある。昨年のGP25ではフロントへの信頼感不足に悩まされたが、今季のGP26では「リアグリップが完全にゼロ」だと訴える。セットアップも電子制御も変えたが、原因は特定できず「同じGP26に乗る他のドゥカティライダー(アレックス・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンナントニオ)はグリップがあるのに、なぜ自分だけ……」と困惑は深まる。
このグリップ不足は、かつての武器だったコーナー進入を制限し、無理にマシンを向かわせることで腕のポンプアップ症状を誘発。タイヤのライフ管理も昨年同様に難しくなっている。シルバーストンでは、代役のイケル・レクオナにすら脅かされる有様だった。
バニャイアは「シーズン序盤からリアグリップがなく、何をすべきか分からない」と漏らす。夏前のわずかな復調でタイトル争いに望みをつないだが、シルバーストンでその可能性は完全に断たれた。ドゥカティとしても、今や彼の問題解決を最優先にはできないのが現実だ。
残るシーズンは、2027年からの850cc新時代、ピレリタイヤ、そして4年契約を結んだアプリリアへの移籍に向け、どれだけの自信と悪い癖を持ち込まないかが焦点となる。王者の苦闘は、まだ終わりを迎えていない。
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