ブリアトーレ独占告白!アルピーヌF1にグッチがタイトルスポンサー、異色のコラボが実現するまで
アルピーヌF1のチーム代表を務めるフラビオ・ブリアトーレが、The Race Businessの独占インタビューで、来季からチーム名が「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」に変わる衝撃的なニュースの舞台裏を明かした。
「ルカ・デ・メオ(グッチCEO)に『グッチをF1に』と持ちかけたら、最初は『悪いアイデアだ』と言われたよ」とブリアトーレは笑いながら振り返る。しかし彼は決して諦めず、何度も何度もプッシュし続けた。そしてついにデ・メオが折れ、「ピノー会長(グッチ親会社の会長)を説得する必要がある」と条件を出した。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro ピノー会長はF1にまったく興味がなかったが、ブリアトーレはモナコGPに招待。モナコの華やかな雰囲気に圧倒されたピノー会長は一転、熱狂的なサポーターに変わったという。「彼は信じられないほど興奮していた。モナコは一大イベントだからね」
こうして、F1史上初のラグジュアリーブランドがマシンに載る契約が成立。ルイ・ヴィトン(LVMH)がF1公式スポンサーとしてイベントを支える一方、グッチはチームのタイトルスポンサーとして、まったく新しいマーケティングの世界を切り開くことになる。
「グッチの全従業員がものすごく興奮している。ミラノのグッチショップで買い物をしたら、店員全員が『グッチF1』のニュースに大喜びだったよ」とブリアトーレは目を輝かせる。
さらに、MSC(海運大手)とEni(石油大手)もそれぞれ1〜3年の契約延長が決まり、チームに安定した資金基盤がもたらされた。「これでようやく、クルマの開発に集中できる環境が整った」
ブリアトーレは、かつてベネトン時代にF1のマーケティングを革命的に変えた立役者でもある。当時は「Tシャツメーカー」と嘲笑されながら、異業種からの参入で業界を席巻した。「他のチームはみんな技術誌ばかりに広告を出していた。我々はファッション誌、ヴォーグに載せたんだ。クルマは後ろの方だったけど、イメージでは常にトップだった」
その戦略は見事に当たり、1995年にはフェラーリの半分の予算で世界チャンピオンを獲得。「マイケル・シューマッハという偉大なドライバーと、ロス・ブラウンやパット・シモンズといった優秀なエンジニアたちがいたからだ」
現在のF1人気について、ブリアトーレは「シルバーストンでは56万人が集まり、観客の平均年齢は28〜30歳にまで下がった。しかも60%が女性で40%が男性。以前は完全に男性のスポーツだったのにね」と、その変貌ぶりを語った。
「F1は難しいビジネスだが、不可能ではない。大事なのは人材と、その人材を正しい場所に置くことだ」と語るブリアトーレ。来季、グッチのエレガンスとアルピーヌのテクノロジーが融合したマシンが、果たしてどんな走りを見せるのか。F1界に新たな旋風が巻き起こる予感がする。
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