伊藤美誠、WTT横浜で敗戦も20分間の粋なファンサービス「一番最後だから」
卓球・WTTチャンピオンズ横浜大会第2日、横浜BUNTAIに集まったファンの前で、伊藤美誠(スターツ)が世界ランク6位・王芸迪(中国)に激闘の末、ゲームカウント1-3で敗れた。第4ゲームは3-11と押し込まれ、1回戦敗退が決まった瞬間、会場には悔しさと温かさが入り混じる拍手が響いた。
しかし、敗戦の直後から伊藤の真骨頂とも言えるシーンが繰り広げられた。試合終了から約20分間、彼女はスタンドに残るファン一人ひとりと向き合い、写真撮影やサインに対応。その姿には一切の陰りがなく、笑顔でペンを走らせ、カメラを向けられればポーズを取った。この日は伊藤の試合がこの大会最後のカードだったこともあり、「最終試合、一番最後だから出来ることがあると思った」と振り返る。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 「日本でやる機会は少ない。少しでもみなさんの記念になったり、夏休みの思い出になったりすればいいなと思って」。その言葉通り、横浜は幼少期に住んだ思い出の地でもあり、スタンドには当時の知人も駆けつけていた。試合中も「頑張れ」「美誠ちゃん」と飛び交った声援に励まされながらも、王のサーブの多彩さに苦しめられた伊藤。「変化もスマッシュもよかった。自分のよさも出ていたが、相手の幅が広がっていた」と唇を噛んだ。
そんな中でも、ファンへの気配りは一切変わらない。取材エリアに足を運ぶと、報道陣の一人のスマホケースに目を留め、「ジジと同じスマホケース。最近買ってあげたんですよ」と笑顔で指さし、場を和ませた。敗戦の重さを微塵も感じさせない、自然体の気遣いだ。
9月には名古屋アジア大会が控える。「あまり卓球を見たことない方でも見に来てくれると思う。『卓球ってすごい面白そうだな』と思ってもらえるプレーができたら。すごく楽しみです」と前を向く伊藤。勝敗だけでなく、人を惹きつける魅力そのものが、横浜の夜空に輝いた一夜だった。
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