19歳ハリス希生がPSG相手に6得点!ロス五輪へ名乗りを上げた超新星
東京・有明アリーナが熱狂に包まれた。フランスの名門パリ・サンジェルマン(PSG)を迎えた国際親善試合で、次世代の日本代表「ネクスト日本代表」が挑んだ一戦。結果は29-37で敗れたものの、スタンドを埋めた1万422人の観客の目に焼き付いたのは、19歳の鮮烈な輝きだった。
中部大2年、LBハリス希生(きお)がチーム最多の6得点を叩き出し、28年ロサンゼルス五輪代表へ名乗りを上げた。186センチと決して大柄ではないが、その身体能力は別格。抜群のジャンプ力と思い切りの良さで次々とシュートを放ち、相手GKを翻弄した。11本のシュートで6ゴールという数字以上に、そのプレーの一つ一つが観客の心を掴んだ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro クライマックスは試合終了間際。ミスから失点を重ね、大差がついた状況でも、ハリスは諦めなかった。パリ五輪代表で若手チームの主将を務めるCB藤坂尚輝(24=大同東海)の絶妙なパスを受けると、華麗なスカイプレーでゴールネットを揺らす。「藤坂さんにやろうと言われて。いい終わり方ができました」と笑顔で振り返った。
米国人の父と日本人の母を持つハリスは、小学3年生でハンドボールと出会った。「展開の速さ、当たりの強さ、躍動感があって、かっこいいスポーツだと思いました」。福岡・九産大高時代にはエースとしてチームを牽引し、ベスト8入り。中部大に進学すると1年生から中心選手として活躍し、体重を77キロから88キロに増量。シニアの激しい当たりにも負けない体に成長を遂げた。
今年はリーグH豊田合成名古屋の一員としてチャレンジリーグにも出場。日本代表合宿にもトレーニングパートナーとして招集されるなど、着実に階段を上っている。武器は「身体能力を生かした得点力」と胸を張るが、本人は「瞬間的な状況判断など課題がある。藤坂さんや(豊田合成の)田中大介さんは判断力がすごいので、近づきたい」と謙虚だ。
それでも、26歳以下の選手で構成されたチームで、守備で活躍した南城魁星(中大)とともに19歳で最年少。将来性は計り知れない。司令塔の藤坂も「ジャンプ力とシュート力はピカ一。すごくポテンシャルがある」と絶賛。トニー・ジェローナ監督も「経験を積んで成長して欲しい」と期待を込めた。
「これだけのお客さんの前でプレーしたのは初めて。緊張するというよりも、楽しみながら、みんなをワクワクさせるプレーがしたかった」とハリス。「世界のトップを相手に、100パーセント出せました」と満足そうに語った。
「将来的には海外でもプレーしてみたい」という19歳の目標は「オリンピックに出て、メダルをとること」。ロス五輪まで2年という短い期間だが、「出場したい」と言い切った。3年前のPSG戦で飛び出し、日本代表の中心選手に成長した藤坂のように、ハリスが男子ハンドボール界に新たな旋風を巻き起こす。
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