ハースの部品トラブルが生む「不公平な戦い」 ベアマンvsオコン、数字の裏
2026年のF1シーズン、ハースのガレージ内で繰り広げられるオリー・ベアマンとエステバン・オコンの戦い。その数字だけを見れば、ベアマンが圧倒的だ。18-3のポイント差、予選では11勝4敗、決勝では9勝3敗。しかし、この結果を額面通りに受け取っていいのだろうか?
ベアマン自身が認めている。「いつも公平な戦いだったわけじゃない」。その原因は、ハースが今季抱える深刻な部品の不統一問題にある。チーム代表の小松礼雄が長らく認めてきたこの問題は、両ドライバーにシーズンを通して影響を与えている。ベアマンがそう語った直後のハンガリーGPでは、まさに彼自身がその問題に苦しみ、オコンが相対的にベストな週末を過ごすことになる。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー オコンは今季前半を「本当に困難だった。問題が多すぎて、本来のパフォーマンスを発揮できなかった」と振り返る。自身のキャリアでもっとも厳しい前半戦だったと認め、週末ごとにマシンの一貫性が欠けていることに苛立ちを隠さない。実際、バルセロナではベアマンが部品の不統一で「ひどい」と感じるマシンに乗り、オコンもオーストリアのプラクティスで苦しめられた。
ハンガリーでは、オコンが異なるフロアとリアウイングに交換し、さらに自身が求めていた軽いステアリングを手に入れて、週末を通して好調を維持した。予選ではベアマンを0.2秒上回り、決勝でも両者が完走した中で今年2度目となるハースのトップでフィニッシュ。オコンは「一貫性が戻ってきた。金曜から日曜まで同じパフォーマンスを保てた」と手応えを語った。
しかし、この問題は週末ごとに「当たり外れ」を生む。ベアマンはハンガリー後、「ひどい週末だった。自分が悪い側に回ると、10〜15ポイントものダウンフォースが突然失われる。どちら側に立つかで運命が決まるんだ」と嘆く。彼は「話は単純な見出しに表れているものだけじゃない」と強調し、チームメイト間の比較が公平ではない現状を訴えた。
小松代表も「外部からはチームメイト間の差を正確に見極めるのは非常に難しい」と認める。例えば上海では、ベアマンがセーフティカーに救われて5位に入った一方、オコンは接触で14位に終わった。その3ポイント差が18-3という数字をより歪めている。小松代表は「ポイント差だけ見ればベアマンが勝っているが、文脈を理解した上で評価している」と語る。
数字の上ではベアマンが明らかに優勢であり、オコンのシートが来季に向けて危ぶまれているのも事実だ。ベアマンが今年、オコンに対してレース周回の64%で先行している(昨年はほぼ50%だった)ことも、彼の成長を裏付ける。ハンガリーのような週末をオコンが増やせるかどうかが、彼のF1残留を左右するだろう。小松代表は「すべてを文脈に入れて判断する」と言う。この「不公平な戦い」の結末は、単なる数字では測れない。
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