F1よ、信号機を採用せよ!元技術者が提案する安全革命
F1の安全性を巡る議論に、また新たな風が吹き込まれている。元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソン氏が、一般道路でおなじみの「信号機」をモータースポーツに導入する大胆なプランを提唱した。
「スカイスポーツや他の放送局が、旗やライトボードの警告システムを分析するとき、静止しているのか、振られているのか、ダブルイエローなのか、ほとんど判別できない。時速150マイル(約240km)以上で走るドライバーがそれを理解しようとするのは、想像を絶する困難だ」とアンダーソン氏は指摘。現状の視認性の問題を鋭く突く。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 同氏の提案は実にシンプルだ。全車両に搭載されたリアウイングとリアインパクトストラクチャーのライトに、緑・黄・赤の信号機カラーを採用するというもの。例えば、緑点灯は内燃機関と電気出力の両方を使用中、黄点灯は電気モーターを使わず内燃機関のみ、赤点灯は発電機モードで推進力ゼロ——といった具合に、マシンのパワーモードを一目で把握できるようにする。さらに青ランプを追加し、周回遅れにされる際の接近警告や、1秒未満の差で追走するマシンへの譲歩義務を明確化する案も盛り込んだ。
路面側の安全対策にも踏み込む。最近の事例では、オーストリアGPでのジョージ・ラッセルへのノーペナルティ判定や、ハンガリーGPでのキミ・アントネッリのグリッド降格が「どの程度のリフト(アクセルオフ)で十分か」という曖昧な線引きを浮き彫りにした。アンダーソン氏は「コース上に停止した車両や事故車両への対応は、上記の信号機システムで簡単に解決できる」と断言する。
具体的には、マシンがコースオフしたがまだ動いている場合は全灯黄点滅で、ドライバーは前周比10%の減速を義務付け。停止した場合は全灯黄で25%減速。25G以上の衝撃で医療車両が必要な場合は全灯赤点滅とし、赤エリア内のドライバーはピットに戻るルールを提案。さらに車両が「ライブ(高電圧系統が生きている)」状態なら全灯赤で、マーシャルが触れてはいけない危険ゾーンであることを示す。
「F1は常に車輪の再発明をしようとするが、もっと現実世界に既存する解決策に目を向けるべきだ」と同氏。ドライバー保護のためのクラッシュテストやシャシー強化はもちろん重要だが、「マーシャルや安全クルーにとっての安全は、単純にコミュニケーションの問題だ」と強調する。「F1はテクノロジーに莫大な資金を投じているが、時に最善の解決策は最もシンプルなものだ。信号機システムほど明確なコミュニケーション手段はない」
このシステムは全チーム統一のFIA管理とし、フェイルセーフは必ず「赤(危険)」になる設計を要求。アンダーソン氏は「どの色合いの赤にするかを決めるために、3年間も委員会を開く必要はない。単純で理解しやすく、バカでも間違えないシステムが必要なのだ」と語気を強める。
F1の安全基準は年々向上しているが、ドライバーだけでなく、コースサイドで命を懸けるマーシャルや医療スタッフのリスク軽減は急務。信号機という日常的なアイデアが、モータースポーツの未来を大きく変えるかもしれない。
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