ラウル・フェルナンデス、トラックハウス・アプリリアと2年延長「まだ終わらない」
モトGP界でも異色の経歴を持つラウル・フェルナンデスが、トラックハウス・アプリリアとの契約を2028年まで延長した。25歳のスペイン人ライダーにとって、この2年契約は「まだ結論が出ていないキャリア」に一筋の安定をもたらすものだ。
フェルナンデスのモトGP人生は、まさにジェットコースターだった。2021年、モト2クラスにたった1シーズン参戦しただけで、ルーキーには難しいとされるカテゴリーでランキング2位に輝く衝撃的な活躍。その才能を逃すまいと、KTMはヤマハの引き抜きを阻止するため、強引にモトGP昇格を決断した。なんと、プラクティスセッション中にフェルナンデス獲得と、テック3からダニロ・ペトルッチ、イケル・レクオナの放出を同時発表するという前代未聞の荒業だった。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro しかし、急すぎる昇格は三方にとって不幸な結果を招いた。2022年、フェルナンデスは予選で20位以上を記録したのはわずか1度。決勝でも12位が最高と、まったく歯が立たなかった。チーム内は不協和音が響き、まさに「地獄のルーキーイヤー」となった。
それでも、モト2での驚異的な成績が彼に猶予を与えた。RNFアプリリアが救いの手を差し伸べ、チームがトラックハウスに変わった後も残留。しかし、本来の輝きを安定して見せ始めたのは2025年後半からだ。昨年のオーストラリアGP優勝、今季のムジェロ・スプリント制覇は確かな成長の証。だが、その上昇がアプリリアがトップマシンに成長した時期と重なるのは偶然ではない。ベストマシンに乗って初めて結果を出せるのなら、本当に特別なのか――周囲の目は依然として厳しい。
さらに、同僚の小椋藍の存在がフェルナンデスの立場をさらに複雑にしている。小椋はルーキーイヤーから圧倒的な速さを見せ、昨年はフェルナンデスの将来に疑問符を突きつけた。そして今季、小椋は本格的なタイトル争いに加わり、フェルナンデスの成長を完全に影に隠してしまった。
皮肉なことに、フェルナンデスが新契約を勝ち取れたのは、その小椋のおかげだ。小椋が2027年にヤマハへ移籍することが決まっていなければ、トラックハウスはフェルナンデスを見切っていたかもしれない。しかし、小椋の去就が決まったことで、チームはエーニャ・バスティアニーニの加入を見据えつつ、フェルナンデスを「継続の安心感」として残す選択をした。
「我々はこのチームとマシンが、今後数年にわたって継続的にチャンピオンを争える存在になると確信している。そしてラウルは、このスポーツの偉大な高みへ我々を導いてくれる」――トラックハウスオーナーのジャスティン・マークスは、契約更新発表でそう語った。この言葉が1年前よりは現実味を帯びているのは確かだ。だが、フェルナンデスが真の意味でその言葉を現実にするには、まだまだ一貫した結果を示し続けなければならない。
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